不良狼の一途な溺愛


えっ…どうして!?


まさか、早崎さんとの攻防をずっと見ていたことに対して、怒ってるとか…?


でも私だけじゃなくて、周りのみんなも食い入るように見てたのにっ…!


ビクビクしながら座っていると、紫堂君は私の机の目の前で足を止めた。




「おはよ、柚。」


へ…?


紫堂君の言葉に教室内の生徒が騒つく。


私も驚いて、おそるおそる紫堂君の顔を見上げた。


先ほどまでのイラついた表情は嘘のように消え、少し笑っているかのように見える。


あまりの変わりっぷりに、私は瞬きを繰り返した。


今のって、どう考えても普通の挨拶だよね…?


怒りをぶつけに来たわけじゃないの…?