不良狼の一途な溺愛


「ねぇ、蓮!放課後、久しぶりにカラオケでも行かない?一緒に遊ぼうよ!」


紫堂君、カラオケとか行くのか…。


歌ってる姿って、イマイチ想像出来ないから、ちょっと見てみたいかも…。


ささやかな興味を持ちながら二人のやり取りを見ていると、茶髪の女の子は紫堂君に腕をギュッと絡めた。


「蓮、付き合ってくれるよねっ?」


「………。」


絡められた腕を軽く揺さ振られて、紫堂君の表情は少し怪訝そうなものへと変わる。


相変わらず、無言を貫いたままだ。


何か返事ぐらいすればいいのに…。


っていうか、あの子たちと一緒にカラオケ行ってくれないかなぁ…。


そうすれば、放課後の屋上行きは中止になるわけだし…。


そんな期待を抱いていた時、不意に紫堂君と目が合ってしまった。