不良狼の一途な溺愛


わぁ、すごい…。


不良とは言えど、カッコいいから人気があるんだ…。


みんな、紫堂君に怖さとか感じないのかな…。


不思議に思いながら見ていると、数人の派手な女子生徒が教室に入って来た。


邪魔だと言わんばかりの視線を周りに投げながら、群がっている女の子たちの間をズカズカと割って紫堂君に近付いていく。


神経、図太そう…。


決して口には出せないけれど、そう思ってしまった。


「蓮、おはよっ!」


真っ先に甘ったるい声を掛けたのは、赤みがかった茶髪の女の子。


バッチリと化粧をキメていて、腰まで届きそうなロングヘアーはウェーブがかかっていてフワフワだ。


名前、呼び捨てだし…話し方もかなり親しげな雰囲気だなぁ…。


もしかして、紫堂君の彼女…だったりして。


「今日は朝から登校なのねっ!なんか眠たそう。」


とても嬉しそうに話す女の子だけど、対する紫堂君は何とも面倒くさそうな表情をしている。


ふぁ…と大きな欠伸を何度もしていて、話を聞いているのか、聞いていないのか分からない感じだ。