「……………。」
少しの間、お互いに沈黙しあう。
私と蓮君を交互に見ているお兄さん。
私は、ハッとして自分の体に視線を向けた。
カーディガンのボタンは全て外されて、はだけている。
その下に着ているキャミソールがバッチリと見えてしまっている状態だ。
手は、蓮君にしっかりと握られてソファーに沈められている。
この状況を、蓮君のお兄さんが見てるんだよね…?
……………。
……っ!!
ハッキリと自覚した途端、ボッと火がついたかのように熱くなってしまった体。
おそらく、顔も真っ赤だ。
心の中では、“ひゃあああ”とか“きゃあああ”といった悲鳴がしきりに飛びかう。
は、恥ずかしい…。
目元には涙がジワジワと溜まっていく。
「ゆ、柚っ…!?」
そんな私を見て、焦った表情を浮かべた蓮君。
次の瞬間、私は体を起こされて、そのまま蓮君の腕の中に抱きしめられていた。


