「れ、蓮君!?」
フワリと温かい腕の中に包まれて、心臓がドクドクと激しく動く。
蓮君にも聞こえてしまいそうだ。
「ありがとな。柚の優しさ、すげぇ嬉しい。」
蓮君の声が耳元で響く。
そんな風に言ってもらえるのは…素直に嬉しい。
頬が緩むのを感じていると、蓮君は私をギュッと強く抱き締めた。
「あのさ、今日は……本当にごめん。柚に、たくさん嫌な思いをさせちまった。」
「い、いいよ…!こうして無事に蓮君の家まで戻って来たんだし、もう謝らないで?」
「だけど……」
「それより、私の方こそ…ごめんね…。」
「えっ?」
蓮君は抱きしめていた腕の力を緩めて、私の体を少し離す。
驚いている表情が私の目に映った。


