不良狼の一途な溺愛


「柚っ…!?ど、どうしたんだ?なんで泣いて……」


「蓮君が…大きなケガしなくて良かったって思ったの。だ、だって……相手は大勢いたからっ……ふぇっ…」


何度拭っても、とめどなく溢れてくる涙。


視界が歪んで、蓮君の表情もまともに見えないぐらいだ。


「柚…」


「すごく心配したんだからっ!蓮君、家に居ないし…近くのコンビニにも居ないんだもんっ!」


「えっ?なんで俺の家に……」


「そもそも、謹慎中なのに…どうして外出したのっ!?もしも先生に目撃されたりしたら、退学になるかもしれないじゃないっ!」


色んな感情が一気に込み上げてきてしまった私。


抑えきれなくて、涙と一緒に次々と言葉になっていた。


「柚、ごめん…。謹慎中だってのに外出して…。け、軽率な行動だった。本当にごめん…。だから、もう泣くな…。」


「そ、そんなこと言われてもっ……ふぇぇ…」


すぐに涙が止まるわけがない。


泣き続ける私を、蓮君はギュッと強く抱きしめた。