不良狼の一途な溺愛


「こうなったら、徹底的に叩き潰してやる!!紫堂、覚悟しろよ?」


「その言葉、てめぇに…そっくりそのまま返してやる。」


バシッと言い放った蓮君は、私に視線を向けた。


「柚、しばらく目を閉じてろ。」


「えっ?」


「ちょっとアイツらをシメてくる。だから、終わるまで…目を閉じて待ってろ。」


「う、うん…。」


咄嗟に頷いたものの、不安が押し寄せる。


蓮君がいくら強いと言っても、相手は黒賀君と10人ほどの不良たち。


こんなにたくさんの不良たちに、一人で立ち向かうのは…かなり無茶があるよ…。


ジッと見つめると、蓮君は少し微笑んだ。


「俺は大丈夫だから、心配すんな。」


おそらく、私の気持ちが表情に出ていたんだろう。


穏やかな声に胸がいっぱいになった。


「む、無理しないでね…。」


「ああ。」


蓮君は一言、返事をして私の頭を撫でた後、黒賀君の方に再び視線を移す。


私はギュッと思いっきり目を閉じた。