不良狼の一途な溺愛


「……おはよ。」


「お、おはよう…。」


お母さんがニコニコとした笑顔で見ていることもあってか、蓮君の表情は照れくさそうだ。



「それじゃあ、お母さんは朝食の準備の途中だからキッチンに行くわね!」


「えぇっ、ちょっとお母さん!?」


咄嗟に呼び止めたけれど、お母さんは、さっさと部屋を出て行ってしまった。


しーん…と静まりかえる空間。


何を話せばいいんだろう…。


沈黙していると、蓮君がベッド脇へとやって来た。


「まさか、柚の寝起き姿を見れるとは思ってなかった。」


その言葉に頬が熱くなる。


「私も…蓮君に見られちゃうなんて、思ってもみなかったよ…。恥ずかしい…。」


ポフッと布団に顔をうずめると、蓮君のフッと笑う声が聞こえた。