「お母さん、えっと…彼氏って、どういうこと?」


「またまた〜とぼけちゃって!金髪で長身のイケメンじゃない!柚もやるわね〜!」


金髪で長身……。


まっ、まさか…蓮君!?


ふふ…と嬉しそうに微笑んでいるお母さんを見ながら、ソワソワし始めてしまった。


「ち、違うの。蓮君は彼氏というか、その…」


「柚も恋するお年頃なのよね〜!お母さん、朝から感慨深いわ〜!」


な、何を言ってるんだか…。


私の言葉を聞き入れる様子もなく、一人で盛り上がってるお母さんに苦笑いを浮かべた。



「あっ、そうそう!外で待たせるのは申し訳ないから、さっき家の中に入ってもらったのよ!」


「えっ、うそっ…」


「本当よ!」


声を弾ませたお母さんは、ドアを大きく開けた。


「さあ、どうぞどうぞ!」


部屋の外に向かって、声を発する。


も、もしや…すぐ近くに蓮君が居るの!?


体が緊張感に包まれる。


部屋の入り口に視線を注ぐと、ゆっくりとした足取りで蓮君が入って来た。