不良狼の一途な溺愛


『いらっしゃいませ〜』


お店に入ると、店員さんの明るい声が飛んでくる。


女性向けの商品を扱っているため、店内は殆どが女性のお客さん。


男性は、カップルで楽しみながら買い物している人がチラホラといる程度だ。


「…………。」


女性率が高いためか、蓮君は店内を見回して顔を強張らせる。


この雰囲気に馴染めない…といった感じだ。


ここを選んだのは失敗だったな…。


沙織とならともかく、相手は蓮君だもんね……。


可愛いアクセサリーや小物類を見ても、つまらないだろうし…。


うん、他の店に移ろう!


私は繋いでいた蓮君の手をツンツンと軽く引っ張った。