それから、一時間後。
私たちは店内に入って、ようやく…お昼ご飯を食べることが出来た。
並んでいる時の蓮君の密着っぷりにはビックリしたし、恥ずかしくて溶けてしまいそうなぐらいだったけど…
そんな状況に耐えた甲斐は十分あった。
料理もデザートも評判どおりの美味しさだし、カフェの雰囲気も温かくて可愛らしくて、とても居心地が良かった。
まさに大満足。
今度は沙織とも来たいなぁ…と思いながら、私たちはカフェを出た。
先ほど、私がすごく恥ずかしがっていたためか、蓮君は腰に手を回すのは止めてくれたけど…
手を繋ぐことは譲れないらしく…ギュッと握られてしまった。
「美味しかったぁ…。私、お腹いっぱい。」
「いい食べっぷりだったもんな。パスタもサラダも食べて、更にケーキを3個完食だったし。」
「だって、すっごく美味しかったんだもん。ケーキ大好きだし、ついつい3個…食べちゃった。」
幸せに浸っていると、蓮君はフッと笑った。


