すごく優しい笑顔…。
また、心の中にトキメキがジワリと広がっていくのを感じた。
不良とは思えないような表情するなぁ…蓮君。
どうして、私に…こんな柔らかい笑顔を見せてくれるんだろう…?
他の女の子たちには、もっと無愛想な感じなのに…。
ふと、そんな疑問を抱いていた時、蓮君がポツリと呟いた。
「柚、俺の顔…見つめ過ぎ。」
「あっ!ごっ、ごめんね。」
アタフタしながら、視線を外す。
頭の中であれこれ考えていたせいか、ボンヤリと蓮君を見つめ続けたままになっていたようだ。
「今みたいな眼差しは…他の男には絶対向けたりすんなよ?」
「えっ…」
「俺にだけ見せろ。」
そ、そんなに変な顔でもしていたのかな…私。
ちょっと沈んだ気持ちになりながら、“うん”と小さな声で返事をすると、蓮君は満足そうに目を細める。
そして、繋いでいた手を離したかと思うと、なんと…その手を私の腰に回してしまった。


