「ここって……」
私は瞬きを何度も何度も繰り返す。
なぜなら、私が前々から行きたいと思っていた、人気のカフェだったからだ。
「れ、蓮君…このお店に来たことあるの?」
「いや、初めてだけど。」
「それじゃあ、どうして…このお店に?噂とかで知って興味があったとか??」
「いや、そうじゃなくて……」
蓮君は私から視線を逸らして、少し小さな声で呟いた。
「柚…この店に行きたかったんだろ?」
「えっ!?」
「前に学校で、この店のチラシ…見てたじゃねぇか…。」
頭の中に、パッとその時の光景が浮かんだ。
そう言えば、朝のホームルームが始まる前に沙織とカフェの話をしてたことあったっけ…。
飲食代が割引になるチラシを沙織が貰ってきて、行きたい…って思ったんだけど、蓮君に屋上に呼び出されていたから渋々諦めて……。
そうそう、蓮君が私の隣の席にやってきた日だ。
私の机の上のチラシなんて視界に入ってないと思ってたけど、バッチリ見られてたのか…。
ん…?
ということは……


