ガルドラ龍神伝―闇龍編―

彼女はキアに酷似した態度で振る舞い、二人に話す。


その態度は、葉っぱの飾りがついたカチューシャや愛くるしい顔とは裏腹の、最も邪悪に満ちているものだった。


「あたし達の一族は、キア様の絶対的な命令に従うことによって生きながらえてるの。


逆を言えば、この魔界における全ての地を治めようとなさってるキア様のお考えに背くあなた達は、ただのくずでしかない。


つまり、命を落とすことになるのよ」


ミントの話を聴いていて、四人の顔は怒りに満ちてきた。


「ふざけるな! この魔界に、くずと呼ばれる魔族が存在するはずがない!」


「そうだ! 誰にも、存在価値を決める権利などない」


「私達は、魔族達の命をむやみに閉じてる程冷酷な魔道族に負けないわ! もうこれ以上、誰も死なせたくないからね」


「プレシオ、ここは危険だ。どこか安全な場所に、隠れててくれ。さ、早く行け」


ヒアの言うことに、プレシオは素直に従う。


彼女が檻状に巻きついている蔓の中に身を隠すと、ミントが攻撃態勢に入る。


四人もそれぞれの武器を構えて、攻撃態勢に入った。


「このあたしに勝てるかしら? 悪いけど、あなた達は中級の葉系魔道師ミント様の敵じゃないわ」


「はなから余裕かましてると、後で痛い目を見るぜ」


そう言うとヨゼフは、威嚇するような薄紫色の目でミントを見ながら、槍先を彼女の方に向ける。


「アークシュ・ホルム(大放水)!」


ヨゼフはミントに水属性の中級呪文で、攻撃した。


その呪文は当たるどころか、彼女が身につけてるマントによって弾かれてしまう。


(九年前のあの日よりも、確実に強くなってる。相手が十二歳とはいえ、油断できないな)


ヨゼフは少しだけ過去を振り返った。


が、彼は気持ちを切り替え、槍を持ち直す。


「さっきの意気込みはどうしたの?


まあ、所詮はあの冒険家の息子だもの。


あたし達の一族に歯向かうなんて、やめた方が身のためよ」


ミントはヨゼフに向けて、自惚れと自尊心の高さに満ちた発言で、攻撃していく。


それを聴いたリタは、ついに堪忍袋の緒が切れた。