ガルドラ龍神伝―闇龍編―

5


火龍神の神殿での激闘を終え、リタ達は火龍族の町に戻った。


戻って早々、彼女達の目の前に、ゼネラ族長がいた。


「出迎えて下さって、ありがとうございます」


「いやいや、これは族長としての務めだよ」


ゼネラ族長は、半ば照れたように言った。


ナンシーは神殿内で起きた出来事、火龍神に言われたことを、族長に話そうとする。


「あの、いろいろと報告をするという約束をしていたと思うのですが……」


「ああ、もちろん覚えてる。


ただ、ここでは何だから、私の家に来なさい。


そこでしっかり、詳細を聞かせてもらおう」


リタ達は、ゼネラ族長に彼の家まで連れて来られた。


早速、ナンシーは詳細を説明する。


「神域で火系魔道師と会いました。


彼は私達を処刑するために、また領国に連れて帰りたい。


それが、キアの決定だと言っていました」


ゼネラ族長は首を縦に振り、彼女に聞く。


「なぜ、キアは君達を処刑する必要がある?


それなら、わざわざ君達を九年間働かせなくても、良いはずだ」


「監視していたのです。


私達が成長し、その後どのような行動をとっていくのかを。


氷系魔道師と火系魔道師が、連携してね」


リタが口を挟んで言った。


族長は頷く。


次にナンシーが火龍神から言われたことを、一部分だけ述べた。


「火龍神は『最近、≪漆黒の魔道師≫の力が強くなってきている』、という風に仰っていました」


彼女が述べた詳細を聴きながら、族長も召使い達も納得している。


「なるほど。ナンシー、君がリタ姫について行くのなら、あのお守りを渡しておこう」


ゼネラ族長は食卓から一メートル進み、飾り棚から石のような物を取り出す。


族長は少し寂しげな顔をして、言った。


「これは、私や君の両親からの餞別だ。大事にしてくれるね?」