ガルドラ龍神伝―闇龍編―

ナンシーは嬉しさのあまり、涙を流す。


鏡に映っているのは、火龍族の少女らしい赤いすべすべの肌、少し曲がった角、そしてセピアの鬣などが揃った姿だった。


「良かったね、ナンシー」


「驚いたな。まさかあんたが、三人目の龍戦士だったなんて。これからも頼むよ、ナンシー」


「こちらこそ、リタ、ヨゼフ」


三人が話し合っていた時、柱に隠れていた神殿長が現れた。


「神殿長、ご無事で何よりです」


「ありがとう、リタ姫。


あなた達のおかげで、神殿を守ることができた。


これで、火龍神バイル様も、お喜びになられることだろう」


リタ達の声に反応してか、赤い水晶玉は眩しい光を放つ。


そして、火龍神のホログラムのようなものが、四人の前に現れる。


『ナンシー……。


君の声を、しっかり聞かせてもらったよ。


君は俺達龍神の聖なる力を、受け継ぐに相応しい魔族だ。


さあ、これを受け取ってくれ。


俺の火の力――この魔界を守るための力を』


火龍神は、ナンシーに小さめの斧を授けた。


それはセイント・ウェポンの一つ、 ≪バイル・アックス≫だった。


ナンシーは、静かに頭を下げる。


『ナンシー、君も薄々気づいてるだろうけど、最近≪漆黒の魔道師≫の力が強くなってるようだ。


くれぐれも、気をつけてくれ。


そして、この魔界を救ってくれ。


砂龍王子デュラックや水龍騎士アークレイも、君達を見守っていくからな』


火龍神は三人に助言をすると、再び水晶玉の中に戻った。


リタ達は、静かに頭を下げる。


「さて、そろそろ町に戻ろうよ。ゼネラ族長も待ってるわ」


ナンシーは他の三人を促し、神殿の外へ導く。