ガルドラ龍神伝―闇龍編―

ヨゼフは、注意深くマントの頭巾をかぶる。


火口では、何かが煮えるような音を立てて、マグマが神殿入り口を温めている。


「この神殿のどこかに、火龍神バイルがいらっしゃるのね?」


「ああ。今度こそ、キアとアルエスの関係について、何かわかるかもしれないよ」


リタは滝のように流れる汗を拭き、生温い水を飲む。


「暑いね。≪耐火属性マント≫を羽織ってても、大量の汗が出てくる」


「ああ。特に僕は水龍族だから、長い間火山にいると、干からびてしまいそうだ」


ぼそぼそと言い合いながら、二人はナンシーの後について歩く。


神殿内部は、火口付近ほど暑くはなかった。


ヨゼフはマントの袖口から地図を取り出し、他の二人にも見えるように広げる。


「ヨゼフ、その地図はどこで手に入れたの?」


「どこでって、水の都の地図屋で普通に売ってたから、一式購入したんだよ(最も、そのために、両親の遺産をほとんど使っちゃったけどね)」


ヨゼフは、先程から流れる汗を拭きながら言った。


彼の地図によれば、火龍神の神殿は複雑に入り組んでいる。


おまけに、所々溶岩が流れているので、火龍神バイルの祭壇に行くには、細心の注意を払わなければならない。


リタ達は、唾を飲む。


「どうする? ここから祭壇まで、かなりの距離があるけど」


ヨゼフはリタに訪ねた。


それに対して彼女は緑色の目をまっすぐに向け、真剣に答える。


「もちろん、行くさ。


さっきも言ったけど、私達は冒険者なんだよ。


どんなに危険でも、前を向いて進もうよ。


ナンシーの魔力を、覚醒させるためにもね」


彼女の意見に、他の二人が賛成する。


三人はそれぞれの武器に誓いを立て、火龍族の神がいると言われる祭壇への道を踏み始める。


ナンシーの魔力を、覚醒させるために。――