ガルドラ龍神伝―闇龍編―

二人は、話し始める。


『今日、墓地でメアリーに会った。その時、彼女は≪あんたの前世≫について、僕に少しだけ明かした』


「私の前世? 誰だい?」


『あんたは、あの砂龍神デュラックの生まれ変わりだってさ』


ヨゼフの言葉を聞き、リタは唾を飲む。


彼の話は続く。


『二つ目は――これもメアリーが言ってたことなんだけど、僕達龍魔族は感情が昂ると、魔力を制御しきれなくなって、≪巨大変身≫してしまうんだって。それが本当か嘘なのかは、≪砂龍王の娘≫であるあんたに聞けって、彼女に言われたけど』


唐突に質問され、リタはまた唾を飲む。


「メアリーが言ってたことは、本当さ。といっても、私も古文書を見て知ったんだけど。正直、最初は半信半疑だったから、父上に聞いてみたんだ」


『そしたら?』


「≪巨大変身≫してしまうのは、感情が昂ってる時だけじゃない。ある特定の物がなくなった時でも、あれは起こるんだ、と言ってたよ」


『例えば?』


「私が尻尾につけてる、青いリボンがその例さ」


リタに例を示されて、ヨゼフは一瞬戸惑った。


彼女がいつも大事そうにしているあのリボンが、ヨゼフにとっては誰かからの贈り物に思えたのだろう。


彼女は詳細を述べる。


「私が生まれた日に医師から父上に、私の身の危険を告げたんだ。その時、医師は冷静に物事を考え、あることをしたんだ」


『それで、その医師はあんたの魔力制御のために、尻尾に青いリボンを結んだんだね』


「そう。いわばリボンは、私の命綱なのさ」


リタは苦笑して言った。


ヨゼフは、他者の過去を抉るのは好ましくない、と解っていた。


が、どうしても気になることなので、リタに質問した。