ガルドラ龍神伝―闇龍編―

リタは爪で一回引っ掻くだけで、槍を持った女性兵士を気絶させた。


ナンシーは火属性の中級呪文≪バイル・グオリテス≫を繰り出し、同じく槍を持った兵士を火だるまにして、彼に火傷を負わせて気絶させた。


一方でリゲリオンは、未だに長い剣を持った兵士と戦っている。


リゲリオンが持つ水属性の魔力も、そろそろ限界に近づいてきているようだ。


彼の体はぼろぼろで、右手首から緑色の服、そして黒いズボンにかけて血が出ている。


彼はあまりの傷口の多さに、跪いてしまった。


(くそ、俺は自分の姉を救うこともできずに、終わってしまうのか……)


リゲリオンは、半ば諦めかけていた。


それを見ていたリタは、必死に叫ぶ。


「リゲリオンの馬鹿!


一人で、勝手に諦めるな!


メアリーを――あなたの姉を助けるんだろう?


私達がついてる。だから、諦めるな!」


そう言ってリタは、リゲリオンの前に出た。


リタは大きく手を振り、砂属性の初級呪文≪ヒャッカンタフ≫で、兵士を倒した。


リタは、素早くリゲリオンの所に駆けて行く。


リゲリオンの腕や首に、数々の赤い痣ができている。


「大丈夫か、リゲリオン?」


リタは彼を心配して、訪ねた。


だが、彼はそれを振り切るように言う。


「俺のことを心配してる暇があれば、兵士達が鍵を持ってないか探れよ」


リゲリオンは怪訝そうな顔をして、リタを促す。


その態度に苛々としながらも、リタは先程四人で倒した兵士達の鎧から、牢屋の鍵を探す。


(折角、心配してあげてるのに……。


こういう奴と行動するのは、もうこれっきりにしてほしいね)


リタは心底、嫌な気持ちだった。


彼女は牢屋の鍵を見つけた。


鍵、とってもそれは一つの輪にくっついており、一目見ただけでは、どれがどの牢屋の鍵なのかわからないようになっている。