ガルドラ龍神伝―闇龍編―

一人は槍を持ち、もう一人は剣を構えている。


(あんな子供でも、戦いの時には武器を持たせるんだな。


キアって領主は、相当冷酷だ)


そう思いながらニアロスは、琥珀色の目をした少年と同じく剣を構えた。


「フラワー・アトール(華龍女神の怒り)!」


子供を相手にしている時でも容赦はしないと言わんばかりに、ニアロスは衝撃波のようなものを剣から繰り出す。


すると、いとも簡単に少年少女は倒れた。


「やるじゃないか。でも、ちょっとやり過ぎかな?」


「これくらいやっておいた方が良いって。


相手は、僕達龍魔族と敵対してる魔道族なんだから」


ニアロスは得意気に言う。


その一方でヒアは、複雑な気持ちになっていた。


城の門を通るため、十人は茂みの中から、門番の様子を窺う。


門及び上の階は、大勢の兵士達に囲まれている。


変装していかなければ、すぐに牢屋行きだ。


リタは、自分自身が何に変装するか、考えていた。


ふと、何かを思いついたかのように、ヨゼフが皮の服を着た十人の少年魔道師の方を指差す。


「僕達の身長なら、あの服を着てもばれないよ」


そう言って早速ヨゼフは、少年達の注意を引きつける。


彼は少年達の腹を一人ずつ殴って気絶させ、皮の服を剥いで九人の所に持って行き、それを見せた。


その服からは、家畜の臭いや泥まみれになったかのような異臭が、リタ達の鼻をつたる。


彼女達は涙目になりながら、異口同音にクレームを言う。


「こんな臭いの着てたら、鬣や下の服にまで、臭いが移るわ」


すかさずビオラが、文句を言った。


「変装しなかったら、僕達は門番にぼこぼこにされるよ」


ヨゼフは膨れて言った。


臭いを気にしていたが、やむを得ず九人はヨゼフの案通りに変装し、レザンドニウム城の門に立つ。


「見慣れない子供達だな。


名はなんと言う?」


門番が十人の名前を訪ねる。


リタはフェル、ヨゼフはハール、ナンシーはバーユン、ヒアはトーン、アイルはデュハム、リアスはクレイル、ビオラはウィズ、ニアロスはファンセア、ペレデイスはべラム、そしてスーザンはクィリンシアと、それぞれ偽名を使って名乗った。


門番は首を傾げる。


「あまり聞かない名だが……。


まあ良い。入れ」


門番は手をパンパンと鳴らし、上にいる兵士に合図する。


十人は城の中に入ることに成功した。