ガルドラ龍神伝―闇龍編―

3


くねくねした道を乗り越えた向こうにある扉の奥には、神聖な空気が流れている。


その神聖な感じのする場所の正体は、金龍神レグルスの祭壇がある部屋だった。


その部屋は、サファイアのような青色やルビーのような赤色、そしてエメラルドのような緑色で溢れている。


宝石や金属が重宝されるこの魔界には、金を始めとする様々な金属が、各地の貧しい魔族達に提供されている。


貧しい魔族達は、これを売って金を作り、それで食物を買う生活を送っている。


これらのことを考えると、各龍族の神々は僕達の生活を今でも支え、そして見守っているのだ、とヨゼフは痛感した。


(あの時、水龍神アークレイが言ってた言葉。


あれは、他の龍神達と一緒に生活を支えていくって意味だったんだ)


ヨゼフは水龍神アークレイの言葉を振り返り、想像した。


五人がしばらく部屋の光景に見とれていると、誰かの気配を感じた。


今度はリタだけでなく、他の四人にも感じ取れた。


「僕の名前はラドフィス。


下級だけど、キア様にお仕えしてる金属性の魔道師さ」


ラドフィスという少年魔道師が神殿に来て早々、チラシのような物をリタ達に見せた。


それは以前、ゲルデナでペレデイスにはじめて会った時に見たのと同じ物だった。


(こ、これって、まさかあの時に見た、指名手配の知らせ?)


ナンシーは、思わず目を丸くした。


キアは本気で、私達の処刑を計画している。


九年間私達を領国に幽閉して、わざと逃がした。


でもそれは、私達が今度何をするのかを確かめるため。


そして今、≪龍戦士捜し≫をしていることが判明したため、領国での処刑を実行に移そうとしている。


「そうか!」


リタはようやくその理由が理解できたと言わんばかりに、声を張り上げた。


(あの冷徹な態度、あの時のレザンドニウムの魔道族の人々の言葉。


あれは、キアの言葉じゃない!


あれは≪邪悪なる魔物≫――そう、≪闇龍アルエス≫が支配してる、キアの体だったんだ)


リタはこれまでに聞いた話から、ようやく答えを導き出した。