ガルドラ龍神伝―闇龍編―

ナンシーが訪ねたが、スーザンは「内緒よ」と言って、答えなかった。


またしても彼女は四人の先を行こうとするが、急ぎすぎて神殿の底に落ちそうになった。


その腕をリタ達が、一所懸命に引き上げようとする。


「駄目よ、リタ。離して。


このままじゃ、あなた達まで落ちるわ」


スーザンは、半ば諦めたように言った。


だが、リタは首を横に振る。


「そんなこと、できるわけがないじゃないか。


私達は友達だよ。


それに、万が一落ちそうになっても、私は飛べるから、君を助けることもできる」


リタの言葉を励みに、スーザンは頑張った。


四人の龍戦士は一緒に歯を食い縛り、スーザンを引き上げた。


彼女は、無事に足場まで引き上げられた。


四人は、安堵の胸を撫で下ろす。


「助かったわ。ありがとう、四人とも」


スーザンは礼を言った。


だが、すぐにペレデイスが皮肉を言う。


「それにしても、スーザンって慌てん坊なんだな。


俺の予想では……」


そう言いかけて、ペレデイスは言葉を切った。


スーザンが怖い顔で、彼を睨みつけているからだ。


(まずい。ここで彼女を怒らせると、あの時の二の舞を踏むことになる。


ここは大人しく、黙っていよう)


ペレデイスはびくびくしながら、スーザンの神経を逆撫でしないようにした。


その様子を見ながら、他の三人が笑う。


五人は無事に、扉の前に辿り着いた。


先程五人に襲いかかってきた蝙蝠のような魔物の群れをスーザンが倒したためか、強力な結界はなくなっている。


「怪しいね。


きっとこの扉の先に、金属性の魔道師が潜んでるんだよ」


リタは、魔道族の気配を感じ取ったように言った。


スーザンが予め持っていた鍵を、ジーパンと交差しているベルトの境にあるポケットから取り出し、それを扉の鍵穴に差し込む。


だが、その鍵は古いうえに錆びていたため、抜けなくなってしまった。


(仕方ないわね。


なんせ、三十年前に作られた鍵だもの。


錆びて当然ね)


スーザンはそう決めつけ、鍵のことは諦めた。


五人はそのまま、まっすぐ扉に入る。