ガルドラ龍神伝―闇龍編―

この神殿は神殿長だけでなく、金龍族の少女達も足を運ぶ場所なのだと、スーザンは言った。



「金龍族の少女達もってことは、当番みたいに、『今日は誰が行く』みたいなのがあるのか?」


ペレデイスは、質問攻めのように訪ねた。


「ええ。ただ、出入り口はここよりもずっと高い所にあって、しかもそこへの道はつるつる滑りやすいの。


だから、金龍神レグルスへの捧げ物は、≪勇気のある少女≫だけがすることになってるの」


(なんだか、大変だな、スーザンも。


こんな宗教的なことをしなくても、魔界の平和は俺達龍戦士が守ってやるのに……)


ペレデイスは、金龍族の少女達に課せられた仕事を、皮肉に思った。


普通の山脈のように険しい鉱山を登り、リタ達は神殿の出入り口の前に着いた。


鉱山の高い所にあるだけあって、この神殿は金の縁取りが施されており、また金龍神レグルスを思わせる飾りやルビーにサファイアといった宝石が、出入り口に鏤められている。


「千五百年前の金龍族族長は、神になった自分の甥のために、相当な金をつぎ込んだね」


リタは、思わず本音を口にした。


五人は早速、神殿の中に入る。


この神殿の中も、雷龍神の神殿と同じように、真っ暗な部屋が続く。


目が慣れていないせいか、ペレデイスはあたふたとしている。


彼は一瞬躓きそうになり、柔らかい物によっかかるようにして防いだ。


「ふう、助かった……」


「『助かった……』じゃないわよ!


あなたは、どこを触ってるのよ!」


スーザンに言われ、ペレデイスははっとして、右肘をどかせる。


「悪いな。


しかし、スーザンがまさかペチャパイだったとはね……」


≪ペチャパイ≫という言葉に反応してスーザンは、身を震わせる。


そして、ペレデイスの頬を思いっきり引っ掻いた。


「全く、近頃の男は、デリカシーっていうものがわかってないんだから……」


スーザンはぶつぶつ言いながら、リタ達よりも先に行く。