「え……。いや、この口調はいずれ直します」


「いや、別に直さなくても良いが……。それはそうと、そこにいる水龍と火龍は?」


「紹介します。左にいるのがナンシー、右にいるのがヨゼフです」


リタの後に続いて、二人は苦笑いをしながら名乗る。


「水龍族のヨゼフです」


「火龍族のナンシーです」


二人が名乗った後、リタは砂龍王に、キアの陰謀のことや≪ガルドラ龍神伝≫の真偽を中心に話した。


王は頷き、自分が大臣に代筆させた手紙の内容について、明かす。


「あの≪ガルドラ龍神伝≫は、事実をもとにして、代々各龍族の族長や王達に語り継がれてきた。次期王位継承者のお前にも、いつかは知らせなければならない時が来ると思い、あの手紙を書いた(まさか、こんなに早く来るとは思わなかったがな)」


十柱の龍神達に姿を変えた代表者達が、闇龍を封じたことで有名な≪ガルドラ龍神伝≫。


王の話によれば、その伝説には、まだ続きがあるらしい。


彼は話を進める。