ガルドラ龍神伝―闇龍編―

3


突如四人の所に現れ、そしてあっという間に神殿から出て行った、風系魔道師フィール。


おそらく彼の目的は、あくまでもリタ達に何かを話すためだったのだろう。


その何かというのは、この魔界の真実かはわからない物語の一部分。


謎は、未だに解ける気配はない。


だが、氷龍城の地下神殿でメアリーと会った時、彼女は確かに≪黒い石≫とキアの関係を話てくれた。


もしその≪黒い石≫というのが、伝説にある≪闇龍アルエス≫と関係の深いものだとすれば、彼女とフィールの話も辻褄が合う。


リタは深刻な表情で、先程のフィールの話のことを考えていた。


その横から、ヨゼフとビオラが声をかける。


「また、深刻な顔をして……。


本当に、大丈夫なのか?」


「あたしも思う。


まさか、さっきのフィールとかいう魔道師の話を、鵜呑みにしてるんじゃないでしょうね?」


二人に心配をかけているということもあり、リタは首を振って誤魔化した。


現状報告のために、四人は風龍女神ルニスの祭壇に行く。


そこには、前と同じく神秘的な光を放つ水晶玉があった。


祭壇にあたるこの部屋は、水晶玉や飾りだけでなく、風龍女神の石像もあった。


その石像は、四人が地下室に来る前にあった石像と同じ物だった。


彼女達がしばらく水晶玉を見ていると、それが突然、空色に輝きだした。


そして、その光と共に風龍女神のものらしき声が流れる。


『あなたはビオラですね?


あなたのことは、よく知っています。


あなたが生まれてから、ずっと見守ってきたのですから』