「リアスは前々から、かつての岩龍戦士シトラルになりきってるように、可笑しなことを時々言うことがあったわ。


だから私は、薄々感じてたの。


≪この子はもしかしたら、前世が岩龍女神シトラルだから、こんなことを言うんだ≫、てね」


理由を説明したというよりは、自分が薄々感じていたことを淡々と言ったに過ぎない、と母親は思った。


だが、その気持ちはリタ達には充分伝わった。


自分もかつてリアスと同じように、誰かから≪龍神のうちの誰かの生まれ変わり≫と言われたことがある。


リタは過去を少しだけ振り返りながら、母親の言葉の意味を理解していく。


彼女はリアスが杖を武器として、魔道族と戦っていくことには反対しなかった。


それも運命なら、仕方ないと思っているのだろう。


少なくとも、リタはそう思っていた。


同じ龍戦士として、リアスの分まで戦っていこう、と三人は決意した。


リアスの家族達との話し合いを終え、三人はリアスと同じ部屋で一夜を沸かす。


その翌日、三人はリアスとその家族達、そしてルッカス族長に見送られて、ギルネスの街を出た。


三人は、次の目的地である風龍族の里、ランデス村に行くために、北へ北へと向かっていく。