「そうか。まあ、今日はもう遅いし、この街に泊まっていきなさい」


ルッカス族長は、リアスにリタ達を泊めてあげるようにと言った。


リアスは早速、三人を自分の家に案内した。


「ここよ」


リアスは、ピンク色の屋根の家を指差して言った。


その家は大家族で住むのに、適している環境だった。


彼女は玄関の戸を開ける。


すると、彼女とよく似た少年が三人来て、彼女に抱きついた。


「お帰り、リアス姉ちゃん」


「ただいま、フレス、ロラン、リャーン。みんな、良い子にしてたかしら?」


「心配しなくて良いわよ、リアス。


あなたと違って、この子達はいつも良い子にしてるもの」


リアスが三人の弟達と話していると、彼女の母親らしき魔族が口を挟む。


「ちょっと、お母さん!


いきなり口を挟んで何よ、その言い草は」


リアスと母親のやり取りを見て、他の龍魔族達は皆で笑った。


その晩は、彼女の家に泊めてもらえることになった。


子供が四人いるうえに、シングルマザーということもあり、リアスの母は二日分はありそうな量のポテトサラダを拵えた。


それで夕食を済ませた後、リタとリアスから話があると、三人は家族全員にリビングに残ってもらった。


(いよいよね……。


あたしが新たな岩龍戦士になったことを、お母さんが納得してくれれば良いんだけど)


そのような不安を募らせ、リアスは話を切り出す。


「お母さん、今日はリタ達と一緒に、岩龍女神シトラル様の神殿に行ったんだけど……」


「ええ、わかってるわ。


あなたが新たな岩龍戦士として、目覚めたっていうんでしょう?」


母親は、何もかもリアスのことを見通しているかのように言った。


リタは首を傾げる。


母親はなぜ、そのことについて知っているのかを、リタ達に説明した。