ガルドラ龍神伝―闇龍編―

三人は準備を整え、リアスと一緒に岩龍女神シトラルの神殿に向かう。


出発早々、リタはわざと軽率なふりをして、リアスに質問をした。


「リアス、君はいつから、ルッカス族長に仕えるようになったの?」


「いつから……と言っても、全然覚えてないわね。


あたしはいつも、族長の側にいる訳じゃないし」


リアスは半ば戸惑い気味


ヨゼフもナンシーも、いつものリタではないと感じている。


いつもならば、彼女はこんな風に話を振ったり、答えたりはしない。


これには何か理由があるのか、それとも単にリアスを試しているだけなのか。


二人の脳裏には、リタの態度に関する疑問しか残らない。


「リタ、どうしたの?」


「何が?」


「何がって、さっきの質問のことよ。あんな聞き方をしたら、リアスに失礼よ」


ナンシーが言ったことを否定するように、リタは首を横に振る。


「いや、そうとも言い切れないよ。少なくとも、私はそう思ってる」


「どうして、そう言えるの?」


ナンシーは不思議でならなかった。


リタは言葉を慎重に選びながら、答える。


「よく考えてみな。


出発前のリアスの態度を。


あれは絶対に、自己中心的に物を考えてるとしか思えない」


リタはやけにさっぱりとした口調で、自分の意見を述べる。


ナンシーもその意見に対しては、否定できなかった。


リアスには、ただ自分が目立てば良いと思っている部分がある。


それは、ルッカス族長が一番理解している点ではないのか。


ナンシーから見れば、あの時のルッカス族長の言葉は、単にリアスを庇っているようにしか思えなかった。


物の受け取り方は個人によって様々だが、今のリアスの思考は間違っていると三人は思った。


リアスの行動や思考について考えているうちに、岩龍女神の神殿らしき場所に着いた。


だが、四人が着いた場所は神殿というよりはむしろ、ほこらか洞窟のようにしか見えない。