次の日──いつものように学校に出勤し、いつものように努めて放課後に至る。

 変わらない毎日のように思えて、実の処はとても面白い。

 何がって生徒たちの反応だ。未成年にありがちな、予測不可能ともいう反応は彼をいつも楽しませた。

 もちろん、不純な意味ではない。

 通り過ぎた過去の己を見ているようで、微笑ましい気持ちになるのである。

 ある意味、この歳で彼は仙人のような落ち着きを持っているとも言えた。

「ただの間抜けだ」という声もあるが、そこは良い方に言っておこうじゃないか。

 そんなこんなで、いつものように帰宅準備に取りかかる。

 職員用ロッカーにある薄手のコートを手に取ろうとした時──

「!」

 隣のロッカーから何やら微かに光が漏れていた。