リビングで紅茶と焼き菓子を片手に2人で語り合う。

 彼女は意外とSFが好きで、信士が科学担当だと知ったとき話をしたくて仕方がなかったらしい。

 コロコロと笑う早麻理に何度も見とれてしまう。

 そうこうしている間に美南(ミナミ)少年が帰ってきた。

 そういえば今日はネガネ屋に行く日だ。

 ニヤリとした少年に軽く睨みを利かせながらも、粋な計らいに口元が緩む。

 着替えた少年と駅前に向かう──一度も入った事の無いパチンコ屋が妙に印象深く見えた。裏手に飛ばされた事が懐かしい。