「これ?」

 小首をかしげて携帯端末を取り出す。

「携帯じゃなくて、それ」

 指を差されたものに目をやると、それは小瓶だった。

「ああ、じいちゃんがアフリカかどっかで拾ってきた石だよ」

 言いながら信士を中に促した。

「石をもらったの?」

 訊きながら階段を上る。

「ただの石じゃないよ。隕石の欠片らしいんだ」

「! へえ」

 そこでふと考えた。

「もしかして……それが原因じゃ」

「え?」

 手渡された小瓶を見やる信士に、少年は苦笑いを浮かべる。