なんだかハメられた感はあるものの、早麻理(さおり)さんに会えるならと自分を納得させた。


 そうして次の日──何事もなく放課後まで来たが、学校を出るまで油断は出来ない。

 信士は恐る恐るロッカーやドアを開き、安心してバッグの中味を確認する。

「!?」

「こんちは」

 少年の家の前にいた。

 手にあるバッグを見つめて深い溜息を吐き出す。

「今度はなに?」

 尋ねた少年にバッグを指さした。

「ぷっ」

 吹き出しながら門を開く。

「! それ」

「え?」

 信士は、少年のポケットから顔を出しているストラップを示した。