「ここなんだけど」

「ああ、これね」

 そうして、部屋には掛け時計の音とペンの音が小さく響き渡る。

 ふいに──

「今度さ」

「ん?」

「メガネ屋行こうよ」

「え、なんで?」

「姉ちゃんメガネ好きなんだ」

「えっ!? ホント!?」

 思わず声がうわずった。