夢宵奇譚~飛んでハッスル~

 学校まで戻った信士は焦る気持ちのまま帰宅準備をし、こけつまろびつ少年の家に向かう。

 呼び鈴を押す前に建物を見上げる、少年の家は一般的家屋のようだ。

 葛城と書かれた表札を一瞥し、ボタンを押した。

<はい>

 少年の声だ。

「あ、えーと……」

<ああ、入ってよ>

 インターホンがカチリと通話を切り、門を開いた処に少年が開かれたドアから顔を出した。

 玄関に踏み入り靴箱や廊下、階段を見回す。

 中も一般的な造りのようだ。