その日はすぐに少年と別れてマンションに戻る。

 ふと考えると、家にいる時は何も起こっていない……すると、やはり学校に次元のねじれというかがあるのだろうか?

 よく解らないが、明日もきっとどこかに飛ばされるんだろうと思うと学校に行くのが憂鬱だ。

 こんな事で学校嫌いになるなどと、誰が想像し得ただろう。

 順風満帆とはいかなくても、それなりに幸福に生きてきたとは思う。

 これは試練なのか? とりあえずの苦労といえる苦労をしてこなかった自分への試練なのか!?

 とかなんとか嘆いている暇はない、明日の授業の準備をせねば。

 信士はいそいそとガバンの中から書類を取り出し、作業にかかる。

 どんな事が己の身に起こっていようと仕事はこなさなければ、明日の飯も食えなくなる! そんな意気込みを沸き立たせた。