「ここ……正門か」

「あんた」

 なんか聞いた事のある声にハッと振り返る。

 そこにいたのは、紛れもなく2度遭遇している見目麗しい少年……2人は互いに無言で見合った。

「学校は?」

「今日は昼まで」

 声も女子にはモテそうな良い声だ。しかし、なんとなく巻き込んでしまった感が半端ない。

「放課後」

「え?」

「放課後、ここに来てくれ。説明させてほしい」

「あ、ああ……いいよ」

 箸を握りしめて重々しく発せられ、少年は思わず応えた。

 それを確認した信士は、キリリと目を吊り上げてダッシュし遠ざかっていく。