「認めたいけど認めたくない」

 声に出して言ってみる。

「だめだ、解らん。寝る」

 立ち上がり洗面所に向かって歯を磨き、それが終わったらこたつを端に寄せて布団を敷いた。

 そしてテレビと電気を消して布団に潜り込む。

「…………っだぁー! こんな時間に眠れるかぁー! いま何時だよ、まだ7時にもなっちゃいないじゃないか」

 電気を付けて壁時計に目をやってテレビを付けた。落ち着いて考えてみる。

「仮にあれが異世界の穴だとして、つながってるのは異世界じゃなく現代の町内ってことだ。よし、それから安心だ」

 端的に終わらせて晩飯の準備を始める。

 とはいっても、昨日の残りを電子レンジで温めて終わりという簡単なものだ。