九条家の生活が嫌だった。


朝起きたら、
使用人が何人も来て朝食を用意する。


そんな毎日に飽き飽きしていた。


だから家を出ると言ったのだ。


もちろん両親は反対した。


でも私は譲らなかった。


だから両親は条件を出してきた。


「学院生徒から1人、執事として仕えさせなさい」


最初は簡単だと思っていた。


事実、楔山学院に入る知り合いの家に話をしてみたら、
簡単に承諾してくれた。


でも私にはそれが、
会社に有利になるだとか、
そんな下心に見えた。


だから、
徹底的に探してまわった。


そして見つけた。


上流階級に属さず、
奨学金制度で入学した生徒を。