「木崎(きさき)鈴木崎鈴…。えと、私は4組か…」
たくさん並ぶ字の中から自分の名前を見つけ出す
名前があった場所は4組だった
4組のほかの名前を探し
自分の友人である、出雲と美紅が同じクラスであることに内心喜び
隣に立つ隆太に声をかける

「隆太は?」
「4組」
「同じかーっ、今年は隆太に教科書貸せって言えないのか…」
「残念だったな」
「宿題は見せてもらいやすくなったけどね」
「・・・。」

ちなみに隆太とは3年間一緒ーなんてことはない
1年2年は別のクラスだった

「そんじゃ、教室行こー立ち往生してても仕方ないし」
「そんな「立ち往生」なんて言葉がお前から出るとはな」
「はぁっ!?バカにしてるでしょ!」
「素直な感想」



かばんから上履きを取り出し
床にぽんっと落としそのまま履く
たしか4組は東3階だったはず

そこまで歩き教室のドアをガラッと開けると
数人がこちらを向き
3人がこっちに寄ってくる

「すーずーっ!!同じクラスだよおっ!!」
「美紅、やったね!」
「うんっ!」
「出雲も、今年も一緒で嬉しいよっ!」
「僕も、嬉し、いっ」
「うんっ」

「榊、いえい!」
「・・・」
「無視すんなよ!」
「あー今年も毎日お前の顔拝めさせられるかと思うと、がっかり…じゃない、嬉しくて嬉しくてたまんねぇなあ!!」
「俺そんなんじゃ嬉しくねぇよ!」
「俺も嬉しくねえよ」
「ひでえ!」
「つーかうるせぇんだよ!!優一!」


出雲と美紅は私の友達で
優一君は隆太の友達

「美紅ー…慰めてー?」
「いや」
「お前まで俺を見捨てるのかよ!」

ついでに美紅と優一君も幼馴染
全体的に腐れ縁だなあ…。

「見捨てるどーこーじゃないの!うるさいのあんた!」
「お前もな」
「は!?あたしのどこがうるさいのよ榊!」
「そこだよそこ。」

「なかな、か シュール?だよ、ね 燃えてる美紅ちゃんと冷め切った隆太くん、のこの会話って…」
「出雲…そーだよねえ、なんか、うん まさにカオスって感じ?」
「僕も、あんな感じになれば、もうちょっと、明る、くなるか、な?」
「あれをまねするのは良くないよー、出雲は今のままで十分さぁ~!」

出雲は1年生からの友達
ちょっと細切れに話すし、女の子なのに一人称が僕だけど…
癒し要因っていうのかなあ?
この子も居てて楽しいんだよね

「木崎と出雲ちゃんが二人だとなんか和やかだねー」
「優一君」
「木崎ってさ、榊の事好きなの?」
「はあ?」
「それっ、僕も、ちょっと、気になって、た」
「出雲まで…好きだよ。大切な幼馴染としては。恋愛感情は一切ないけど」





あれ