私には
幼馴染がいる。
私は



「はよ、鈴(すず)学校行こうぜ」
「よーっす!行こ行こーっ」

榊 隆太(さかき りゅうた)
よくある少女漫画かーって思うけど
意地悪だけど優しくて
ちょっと、かっこいい、幼馴染だ。

そして私は
ちょっと病弱?な
どこにでもいる歌手にあこがれる女子だ

どっちも今年から中3
まさに受験!って感じの奴だ

「隆太は、どこのクラスがいいー?」
「はぁ?どこがいいったって選べないだろ」
「そーだけどさ、面白みが無いなぁ」
「俺面白いか?」
「ぜーんぜんっ!」

道端の草を眺めながら隆太と話しつつ歩く
雪が解けてからちょっと経つからだろうか草は緑色に染まってて綺麗だ

隆太と話しているのはとてもどうでもいいような内容で
―というか、そんな真面目に話すことは無いんだけど

「鈴はあるの?」
「そだなあ、出雲とかあ、美紅とかいたらいいな」
「美紅はやめろよ、あいつちょっとうるさいじゃん」
「根はいい子だからねー、まあうるさいっちゃうるさいけど面白いし、居て楽しいよ?」
「俺は苦手だ」

学校はそう家から遠くないところにあり
少し会話したぐらいで校門が見えてくる

大体、十分くらいだろうか?

「あー、私も電車通学したいなぁ」
「なんで?」
「楽しそうじゃん!」
私が目を輝かせて(いたらしい)答えると
隆太ははあっとため息をついた
「ちょ、何よ!」
「いーや、鈴らしくていいんじゃない?」
「意味わかんない!」

校舎に入り昇降口付近まで近づくとクラス分けの紙が張り出されていた