俺は慌てて階段を駆け上がった
立ち入り禁止の我校の屋上の鍵がピッキングされていた
――ここにいる・・・
屋上の扉を開けると雨が容赦なく体に突き刺さった
屋上全体を見渡すと
優舞は雨が当たるベンチに丸くなって座ってボーッとしていた
もちろん雨が降る中だから優舞の体はびっしょり濡れていた
「なんでお前護の見舞い来ないわけ?」
俺が優舞に話かけると意外なことに気付いた
雨で気付きにくかったが優舞の頬に涙が伝っていた
体を丸めていたから膝に雨が降るわけはないのに膝にはたくさんのしみがあった
「行かねぇ・・・ってか行けねぇよ・・・」
優舞が小さな声で返答した
