もう一度だけ。



- 陸side -



一歩進むたびに鞄が足に当たる

正直繰り返しそれだとカナリ痛い



結構な距離全力疾走したから息も段々荒くなってきた






「・・・?―――・・・。」

「!!・・・――・・・・。――!!」





俺たちの教室から話し声が聞こえた

俺は走るのをやめ、話し声に聞き耳を立てた



――趣味悪いとかは今だけ都合よく忘れて。






「突然だけどさ・・・?アタシもう疲れちゃったんだよね」


佐伯だ・・・


「・・・・・・どういう意味で?」


・・・?
聞いたことある声だけど誰だったかは思い出せない・・・


「優稀ントコ行きたいなっ・・・て」


佐伯の声は寂しそうだった



ってか優稀・・・?
やばッ俺記憶喪失気味かも・・・なんかその名前懐かしいのに思い出せないし


俺がそんなことを考えて頭をひねっていると突然大声がした