「佐伯~ッ」





あたしが5人と一緒に帰ろうと校庭を歩いていたときだった

突然後ろからメガホンで拡大された陸の声が響き渡ったのだ



200㍍は離れていると思われる距離にいたにも関らず耳の奥がジンジンし、陸に対する怒りがじわじわとこみ上げた





「てめぇふざけんじゃねぇ!
普通に呼べばいいだろ!普通に!!」


陸に向かってそう叫び、もぅ絶対に行ってやらない!と決意をしてノシノシと校庭を外に向かって歩いた




「逃がさねぇって言っただろ!」


陸がそういってあたしの腕を無造作に、そしてまるであたしが荷物でもあるかのように肩に担いだ



「そこの5人!助けろ!」




「頑張ってね」

「じゃぁとりあえず今日は5人でカラオケ行くから」

「体育祭期待してるぞ!」

「じゃぁ帰ろうか♪」

「元気でな~」



こんなときばっかりはシカトしやがって!



「お前ら後でシバくぞ!」



「キャー怖ぁい♪」

そういって5人は小走りに帰っていった