「いつも頭大丈夫じゃないだろー」 師走は笑いながらボールを数個ポケットに入れた。 「うわっ」 隣の台で卓球していた卯月が転んだ。 「え、珍しいな…大丈夫?」 椿本が卯月に手を差し出した。 「はぁ、わりぃな」 卯月は椿本の手を取り、腰を摩りながら立ち上がった。 「やるぞ、アホ月」 師走が横目で私を見る。 「なっ!!!」 さっきまで吸い込まれそうなくらい気を取られてたのに、もう憎まれ口だ。 あぁ!もうわからないよ。