合唱コンクールはいつも秋なのに今年は会場が修理中で12月なのだ。
しかも12月には自然教室もあるから忙しいんだよね。
なんて考えながら
「未琴ちゃんになるに決まってんじゃない」
と呟くように言った。
「去年の水無月の伴奏凄かったしな」
「え??」
長月の思いがけない発言に目を見開いた。
「去年水無月、自由曲の伴奏やってたじゃん?」
「よく知ってるねー」
長月が手を止めて言った瞬間、未琴ちゃんが通った。
「水無…月?!何でここに?」
長月はビックリした顔で未琴ちゃんを見つめる。
「休憩時間だったのに先生にボール拾えって言われたのよ」
未琴ちゃんはそう言って荷物置場へ歩いて行った。

