彼女が詐欺師なら
それで良いのだ。

親の死も、
元彼の借金も、
全て嘘なら、
それが一番
ハッピーなのだ。

どうやら、
現実は逆のようだ。

だから、
自分だけでは
どうにも
受け容れられないのだ。

私といるだけで
彼女の運勢が
好転する、
なら、それでいいのだ。

私と出会ってからも、
彼女の悪運は
自転車操業だ。

私の援助も庶民から観れば大金の部類になる。
それが 彼女の借金から観れば 何の足しにもならないほど
些細な額なのだ。

それが 一番 苦しかった。