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「……で? どうかしたの?」


一応誰もいない休憩室に来て、私は身を乗り出した。
けれど、梓はちょっとキョロキョロして中々話し出さない。


ようやく、意を決したように私を見て口を開いた。


「実は……私、編集長の事好きかもしれないんです!!」


「ああ、成る程ねぇ……………………え?」

「なんか、昨日私失敗やらかしたじゃないですか」

「う、うん」

「でも、編集長って本当に優しくて……立場のせいもあると思うんですけど、でも」


なんか、キュンとしちゃって。

そう迷いなく梓は言う。

「あ。まだ、分かんないですよ? でも、なんか格好良く見えちゃったんですよね」

「……そっか」


頷きながら、私は顔面蒼白になっていたに違いない。