「は、はい」 手招きされて編集長の元に駆け寄ると、 「はい追加分」 と言って数枚の書類を渡された。 「…分かりました」 脱力し、それらの紙を持ってデスクに戻る。 ふと、書類の間に一枚のメモが挟まっているのに気が付いた。 「?」 『呉羽』 名前が記されたメモの下には、 『メールしろ』 そんな文章と、その下にメールアドレスが。 「……え」 ちら、と編集長の方を見遣っても、向こうは仕事に集中していて気付かない。