「悩みは沢山あるんですよ!」 むくれて言う梓に、つい笑ってしまう。 「二人とも、帰らないんですか?」 二人で笑っていると、背後から編集長が聞いてくる。 「あっ、帰りますー! 今先輩の企画の話を……」 言いかけて、梓は口をつぐんで何かを考え出した。 あ。嫌な予感。 「あず」 「そーだ! 編集長も応募しませんか!?」 …………遅かった。 「え」 困惑する編集長と、溜息をつく私を余所に、天然梓は一人はしゃいでいる。