ダメだ、ダメ。


また意識が向こうに行きかけて、慌てて首を振った。


仕事一区切りついたし、休憩して頑張ろう!


気を取り直して、私は休憩室に向かった。


でも、頭の中にはやっぱり編集長……笹本さんがいて。

何なんだろう。まさか、これが恋とでも言うんだろうか。

いや、いくら昨日の事があるとは言え、単純過ぎない?私。優しいのも勿論あるんだけど、でも……

格好よかっ……いやいや。


「笹本さん」とは『恋愛しない』私だから一緒にいれるわけであって。

しかも私、「変な女」のスタンスに立ってしまったし。

色々と考えながら自販機の前に立つ。



「……そんな真剣な顔で缶買う奴見たことねえよ」


「ひえっ」


自販機を睨んでいると、すぐ後ろから声がして私は肩を震わせた。